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「神が守る家」 金子政彦

  • 7 時間前
  • 読了時間: 3分

キジバトの営巣

昨年 2025 年 12 月の年末に、我が家の庭木に、キジバトの夫

婦が四度目の営巣をした。これまでの三回巣立ちは、全て失敗し

ている。ヒナが誕生するところまではうまくいくのだが、一週間程

度で、ヒナがいなくなってしまう。二羽のキジバトが巣の周りで呆

然とする様子が、切なく、かわいそうだった。何かの野生生物がヒ

ナを食べていることが疑われた。

ヒナの死

そんな中、再び、キジバト夫妻が帰ってきた。何度も失敗してい

る場所に、また戻ってくる。家族からは「なぜ学ばないのだろう?」

と疑問の声が上がる。しかし、今回は、年末から新年早々、四回目

の営巣。同じ敷地内に住む私としても、むざむざ失敗させるわけ

にはいかない。巣に外敵が登らないように、幹にアクリル板を巻

いたり、木酢液でにおいをつけたりして、観察していた。

一月の中旬にヒナが二羽生まれた。親バトが、せっせとエサを与

える様子が愛らしく、観察が私の楽しみとなった。ところが、ヒナ

誕生から三日目の寒い朝、ヒナを温めて守っていたはずの親鳥が

巣にいないことに気がついた。あわてて巣をのぞくと、二羽のヒ

ナは冷たくなっていた。明るくなり、親鳥は巣に戻ってきて、ヒナ

を温め始めたが、ヒナが生き返ることはなかった。切ないことに、

親鳥は、しばらく、死んだヒナの体を温め続けていた。

犯人を捕まえた

この様子を間近に見て、私は、もう耐えられなくなった。寒い夜

のうちに、外敵が現れ、親鳥を脅かしたに違いない。親鳥が逃げて

いる間に、二羽のヒナは凍え死んでしまった。巣のある木の幹に

は、動物の毛が残っていた。アクリル板の継ぎ目の部分を使って、

よじ登っていた。こんな芸当ができるのは…。

私は、古賀市役所に出かけた。野生生物の捕獲許可をもらうた

めに。許可は一週間ほどでおりた。同時に、箱罠を購入し、木の根

元に仕掛けた。

そして、翌日の朝…。やはりそうだった。一匹のイタチが箱罠に

入っていた。箱罠の中で、激しく暴れまわっていた。

神が守る家

ハトは、外敵であるイタチのいる区域の樹木に、なぜ、何度も巣

を作るのか? 彼らが愚かだからか? 私は、そうは思わない。彼

らは、巣を作る場所を二羽で選んで決めている。巣の場所が重要

なのであり、そこで起きる様々な出来事には、向き合う覚悟をし

ているように見える。彼らにとっては、巣はホームなのだ。

キジバトたちを脅かしていたイタチは、遠くの山に放った。もう、

同じイタチが戻ってきて襲うことはないだろう。しかし、死んでい

ったヒナたちは、もう戻らない。それでも、キジバトたちは、外敵を

恨むことを知らないかのように、しばらくすると自分たちのホーム

に帰ってくるのだ。

主が建てて下さる家。『主が守ってくださるのでなければ、私た

ちの働きは空しい。』(詩編 127:1) そのことを、キジバトたちは、

私に教えてくれている。困難に負けるな。くじけるな。あきらめる

な。「主は、愛する者が眠っている時でさえ、お与えになる」(2 節:

フランシスコ会訳聖書)のだから。

六月に入り、我が家の庭には、再び二羽のキジバトが、鳴き声と

共に、姿を見せるようになっている。

 
 
 

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