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ダイナミックな人生 使徒言行録1章3~9節

WHO(世界保健機関)はその設立当初(1948年)に「健康」についての定義を「身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態であり、たんに病気あるいは虚弱でないことではない」としました。ところが21世紀を前にした1999年WHO理事会はこれに「動的」と「霊的」との言葉を付加し、「健康とは身体的・精神的・霊的・社会的に完全に良好な動的状態であり(dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being)、たんに病気あるいは虚弱でないことではない」とすることを提案しました。22の理事国が賛成し、保留が8ヶ国(日本も)となりました。

翻訳上の問題もあって「精神的」の言葉の中にメンタル(知・情・意)もスピリチュアル(霊性)も含まれるのかもしれませんが、一般的にメンタル面までの病は投薬で治療しますがスピリチュアルな病となると、「大いなるもの」との出会いの中で癒しが起こされるそうです。聖書によれば、人は神の像に創造されていること、それゆえ神との関係性の中に、その人の居場所があり、そこから自由に、また自律的に安心して羽ばたける「力強く良好な状態(dynamic well-being)=全人的健康」が作り出されるのです。

復活のイエスが弟子たちに約束された通り、イエス昇天の10日後に聖霊が降り、弟子たちは大いなる力に包まれ、恐れは去り、喜びにあふれ、心の内に住まわれるキリストにより、正に「キリストを証する集団」へと変えられたのです。この時からキリストの霊に満たされて、神の愛に動かされ、ダイナミックに生きる新しい交わり、即ち、教会が誕生したのです。

今日の複雑怪奇な時代にあって、人々は優れた医療技術とともに、人間存在の原点は何か、とのスピリチュアリティ(霊性)に気づき始めているのです。聖霊からくる果実は「愛、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制」(ガラテヤ5:22,23)と記されています。私たちの内に住まわれる大いなる神、キリストにより、これらの全人格的徳性が備えられ、正に、神の愛に生きるダイナミックな人生が約束されているのです。然り、霊的な人間とは、キリストの愛に生きる人々のことなのであります。

       TK生

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