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「被造物の呻きを聞く」 ローマの信徒への手紙8章18~25節

宇宙空間にはおびただしい放射線が飛び交っています。また、地球内部にも放射性物質があり地上に放射線を放出し続けています。しかし地球を取り巻く空間や地表の厚い岩盤が放射線を防ぎ、人体への影響を最小限に保っています。この状態になるまでに地球誕生から凡そ46億年を要し、人類が棲息できる穏やかな環境が整えられたのです。

ところが人類は安定している物質の核分裂や核融合を試み、その際得られる高エネルギーを用いて原爆や水爆のような兵器を製造するまでになったのです。この瞬時に発生する莫大なエネルギーを制御出来れば、その発生熱を利用して発電機を動かして電力を得ることが可能で、これが原子力発電の原理です。しかし、核分裂や核融合は連鎖的に発生するため、もしコントロールができなくなる(=臨界状態を超える)と、核爆発が起きて大量の放射性物質を撒き散らし放射線を放出し続けるのです。そして、この放射能による汚染地域は居住も耕作も出来ない死の土地となります。

3年前の福島原発事故を教訓に世論は原発廃止へと動きましたが、電力供給を独占する巨大企業や、原発から得られるプルトニュウム(核兵器の原料)生産を失いたくない軍需産業界の必死の要請を受けて政府は原発再稼働へと舵を切りました。原発はたとい稼働していない時でも、使用済み核燃料棒を水槽中で保管し続けなければならず、もし水槽が破損する事態となればメルトダウンを起こし原発本体事故以上の大事故も起こします。又、大地震や火山噴火だけが想定されていますが、有事の場合に攻撃対象に原子力発電所や使用済み燃料保管施設が標的となることも明白です。

今も原発はウラン採掘から使用済み核燃料の取り扱いに至るまでのあらゆる過程で放射能汚染被害を起こしています。人類は見せかけの進歩により数億年も前の「混沌」へと逆戻りしつつあるようです。今こそ「被造物の呻き」に耳を傾け、将来への禍根を残さない選び取りが求められているのではないでしょうか。全被造物との和解の働きは、神の子たちにとって必須の務めであり、緊急の宣教課題と言えるのです。

       TK生

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