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「闇の支配からの解放」 コロサイの信徒への手紙1章13~20節

コロサイの信徒への手紙は「御父は、わたしたちを闇の力から救い出して、その愛する御子の支配下に移してくださいました。」と宣言します(コロサイ1:13)。誰であっても、右も左もわからない真っ暗闇の中に置かれると、それだけで恐怖に襲われます。闇の力はこの恐怖心を用いるのです。それは人間の正常な理性を混乱させ、必要以上の憎悪と敵意へと導き、更に闇の世界を広げます。しかし、神は闇の中に光を創造し、すべての人を闇の支配下から愛する御子の支配下へと移して下さいました。この「移す」とは「別の支配下に移す」を意味する言葉です。

ここに記される「御子」は、「神の姿(→神の自己啓示)」であり、「万物は御子において(by Him)、御子によって(through Him)、御子のために(for Him.)造られている」とあり、更に「教会の頭」であり、「最初の復活者」とも記されています(同16~18節)。このように、あらん限りの言葉を用いて御子の至高性を語り、その究極の出来事として、神が「その十字架の血によって平和を打ち立て、地にあるものであれ、天にあるものであれ、万物をただ御子によって、御自分と和解させられ」(同20節)た、と断言するのです。

人間は自分の力で闇を払うことはできませんし、その必要もありません。何故なら、それは神ご自身が、その愛する御子において実現されたからです。しかも大いなる犠牲を払って成し遂げられているのです。その根拠は、2000年前、歴史のただ中に現わされた十字架の事実であり、人間が考え出した哲学や思想や宗教の類ではありません。それ故、ここに希望があります。私たちは神の御子の支配下にあって、恐れることなく過去に犯した非人間的な行為をも心に刻むことが出来るのですし、また、それを告白し悔い改めることで、闇の支配からの解放を告げ知らせることも出来るのです。

今も、闇の力は歴史の事実を都合の良いように塗り直し、敵意と憎悪へと誘うのですが、私たちは再び恐れの霊に支配されてはならないのです。「暗闇の中を歩く者は、自分がどこへ行くのか分からない。光の子となるために、光のあるうちに、光を信じなさい。」(ヨハネ12:35~36)

       TK生

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