「今始まる永遠の命」 (ヨハネによる福音書 3:15~17)
「永遠の命」という言葉から何を考えるでしょうか。「いつまでも死なない命」「死んだあとも不滅の命」などでしょうか。この言葉を17回と最も多く記すヨハネ福音書(新共同訳)では、「永遠」は「終わりのない」というような時間の概念というよりも、「神と結ばれる」との意に集中して用いられています。この言葉で有名な聖句ヨハネ3:16には「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」とあります。
ヨハネはこの「命」の対極に「滅び」を記します。私が教会に通い始めた頃、「滅び」を地獄に堕ちることと受けとめ、入信で天国へのパスポートを手に入れた、との喜びに浸ったものです。しかし、後にこの「滅びる」が、ルカ福音書15章で「見失われた」羊、「無くした」銀貨、「いなくなっていた」弟、と、持ち主との関係断絶の意味で用いられることに気付きました。従って、「滅び」の対極にある「永遠の命」とは、生死の時を超えて主との関係の中で生きることであると知ったのです。ヨハネ17:3には「永遠の命とは、唯一のまことの神であられるあなたと、あなたのお遣わしになったイエス・キリストを知る(関係の中に生きる)ことです。」とあり、イエスを主と告白し、主と共に生きることこそが大切なのだと理解したのでした。
クリスマスの出来事は、正に、神からの関係回復のお誘いです。このお誘いを受け、主のもとに立ち帰って生きること、これこそが「永遠の命」です。人が「動物」から「人間」になるのは、この出来事に気付き、神との関係に生き始めることで得られるのです。神は独り子イエスさまの誕生を通して「永遠の命」への道を開いてくださいました。この主イエスさまのもとに立ち帰り、神との正しい関係の中に生きるとき、あらゆる隔てを超えて結び合う、新しいいのち、「永遠の命」が始まるのです。
まことに、神はその独り子イエスさまを賜わるほどにこの世を愛されました。この出来事があなたの体験として起こされること、
これがあなたのクリスマス、新しいいのちの始まりです。メリークリスマス!
TK生