top of page

今日がいちばん新しい日 (ローマの信徒への手紙 12章1~8節)

神さまはすべての人に「今日」と言う日を与えて下さっています。「今日」と言う日を、これまでの人生で最後の日と捉え、過去を回想し、成功したこと失敗したことを思い巡らし、その延長線上に現在の自分を置いて、「もう変わることのない自分」に満足したり諦めたりする人も多くあるかと思います。確かに「今日」と言う日は過去の日々あっての今日であり、過去と無関係にあるのではありません。しかし、同時に、「今日」はここから始まる新しい人生の出発点でもあります。過去を受けとめ、しかし、過去に捕らわれずに未来に歩み出すこともできるのです。

パウロは人間として今をどう生きるかを語る中で、「・・・むしろ、心を新たにして自分を変えていただき、何が善いことで、神に喜ばれ、また完全なことであるかをわきまえるようになりなさい」(ローマ12:2)と勧めています。ここで、「自分を変える」とは、「殻を脱ぎ捨てて、新しい姿かたちに変わる」ことを意味しています。即ち、地を這う青虫がさなぎになり、蝶になって空を舞うような意味での「変える」なのです。この世にまみれた古い衣を脱ぎ捨て、神からいただく新しい衣に着替えて歩み出す日なのだと語っているのです。では、どのように過去から脱皮するのでしょうか。

私たちの多くは、上に登るイメージで人生設計をしているのではないでしょうか。他の人々に負けることなく、成功者となりたい、富と名声も手に入れたい・・・。しかし、聖書は下に降ること、他者に仕えて他者を生かすことこそが本物の生き方であると教えているのです。実に、「キリストは神の身分でありながら・・・、僕の身分になり・・・、へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。」(フィリピ2:6~8)とある通りです。他人が自分に何をしてくれるのかと考える生き方ではなく、その人のために私に何が出来るかを模索する・・・、そこに、キリストに倣う新しい人の「今日」があります。過去のしがらみから一歩抜け出し、他者に仕える新しい命を、今日から歩み始めようではありませんか。今日があなたの人生でいちばん新しい日なのですから。

TK生

タグ:

Featured Posts
Recent Posts
Search By Tags
Follow Us
bottom of page