「人生の嵐を超えて …北朝鮮抑留7年間の真実」
- kogabaptist
- 2019年11月12日
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1983年、北朝鮮に拿捕された日本の冷凍運搬 船第18富士山丸。 船長だった紅粉さんと栗浦良雄機関長の二人はス パイ容疑で不当逮捕され、約7年にわたって抑留さ れました。この紅粉さんは、神戸にある教会に通う クリスチャンです。事件の切っ掛けは、北朝鮮から ハマグリを積んで帰国の途についた第18富士山丸 に北朝鮮軍人が密航者として潜入していたことに端 を発します。 商船会社と紅粉さんは密航者の身柄を北朝鮮に帰 すように日本政府に命じられました。ところが日本 政府の致命的な連絡不行き届きによって、紅粉船長 は密航者を乗船できないまま北朝鮮に向かわざるを 得なくなりました。北朝鮮に到着した紅粉さん達は 不当逮捕されます。北朝鮮の地で役人によって、こ れを書いたら「日本に帰してやる」と言われ何10 回となく陳述書を書かされ、役人主導で出来上がっ た陳述書は、事実無根そのもので、紅粉さん達はス パイ活動を行っていたというものになってしまった のです。 当然「日本に帰してやる」というのはウソでした。 北朝鮮では紅粉さんがいくら本当のことを言って も聞き入れられず、全て北朝鮮側が作ったウソ偽り の内容にすり替えられていきました。そして遂に1 5年の労働教化刑が宣告されました。 そんな厳しい状況で、紅粉さんを支えたものは何 だったのでしょうか?それは聖書の言葉と信仰でし た。こんなエピソードが記されています。 何一つ真実が通らない状況で、彼は2つの聖書の 言葉を思い出しました。「見よ、私は世の終わりま でいつもあなたがたと共にいる(マタイによる福音 書28章20節)」「あなたがたは心を騒がせないが よい。神を信じ、またわたしを信じなさい(ヨハネ による福音書14章1節)」です。 誰ひとりとして自分の真実の声を聞き入れてはく れないが、神様だけが知っていて下さると思うと嬉 しくて、彼は部屋の中をはね回ったというのです。 日本にいる時は名ばかりのクリスチャンであった彼 も、この時ばかりは、涙を流して初めて神様に感謝 の祈りを捧げたのです。目には見えなくても、神様 は確かにおられるだけでなく、この私と共にいて下 さると確信できた瞬間だったのです。 このことを境に彼は持っていた新約聖書をむさぼ るように読み、暗記し、そして神様に祈りを捧げる 日々をおくりました。
著者:紅粉勇 (第十八富士山丸 元船長)
出版:ベラカ出版 より
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