「敗戦80年」 泉清隆
- kogabaptist
- 8月9日
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1997年の2月から5月にかけて神戸市須磨区で起き
た児童連続殺傷事件では、小学生5人が当時14歳の
少年に襲われ、2人が死亡、3人が大けがをしました。
あれから28年です。
当時、その事件に対して、慶応大学医学部の児童
精神医学の渡辺講師(当時)は「日本が敗戦後、国の
再建に取り組むときに経済復興が最大の目標になっ
た。第一世代は活力あふれる姿であったが、精神的
な心の指標・目標を受け取ることはできなかった。
それに対して、同じ敗戦国ドイツは復興と平行して
戦争という愚かな破壊、その中での人間の行為を国
を挙げて徹底的に見つめた。これこそが人間を人間
たらしめる作業である。その作業の過程の中で、人
々は戦争について語り、傷を癒し、人間への信頼を
回復していくのだ。
悲しみを表に出さず、押し込めてしまうと恨みに
なる。積もった恨みは世代を越えて思いがけない形
で吹き出すことがある。そういう意味では日本はや
り残していることが沢山ある。戦争について、従軍
慰安婦について、ようやく語れるようになったが、
高度成長期の大人の心の内面やバブルの検証はほと
んど手が着けられていない。
大人は自分の胸の中にある感情を押し殺してきた
部分がある。そして、それが良いことであるとされ
てきたが、それがどこかに出てきているのではない
か。自分が押し殺してきたものは何かをしっかりと
見つめるときに、やっと子どもたちと向き合えるも
のになるのではないか。」と語っていました。
そして、現代、それはどのようなことだったのか
をますます語り合い、検証することが大事な事だと
思いました。
平和主義に基づく日本の安全保障政策は大きな転
換期を迎えています。戦争反対を叫んでいるのです
が、人を殺傷する武器をつくって売っている。それ
で生活をしているという事になります。突き進むと
「人を殺してはなりません」なのに「人を殺せ」と
いう真逆の状態に置かれます。実際に人が亡くなる。
そして、生き残った人たちの中に戦闘ストレス反応
後遺症は、戦争や紛争などの戦闘体験によって引き
起こされる精神的な障害でPTSD(心的外傷後ストレ
ス障害)になる方があります。
2023年、朝日新聞に武田鉄矢さんのお父さんの戦
争体験が書かれてありました。
広島、長崎の原爆投下の日を迎え、15日の敗戦
の日を迎える時にまだまた終わっていない、この戦
後80年を思います。
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