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ウクライナに平和と慰めを 金子純雄

ロシアがウクライナに侵攻して10ケ月近くが経ち

ました。ロシアのプーチン大統領は戦争を認めず、

ウクライナ居住のロシア人や親ロシア人の権益を守

るための特別軍事作戦だと語り、ウクライナ南東部

4州の独立とロシア帰属を早々と宣言しましたが、

米国を始めNATO諸国の軍事援助に支えられたウクラ

イナ軍の激しい反撃にロシア軍は後退を余儀なくさ

れているものの、軍事施設だけでなく発電所やイン

フラ設備破壊を目指すロシア軍の無差別とも思える

ミサイル攻撃で一般市民にも被害が広がるばかり

か、冬を迎え厳しい寒さをどのように凌げるのか,

苦悶している様子も報じられています。想像するだ

けで心身が凍り付く思いですが、冬場を狙った持久

戦もロシア側の戦略の一つかもしれません。戦争の

激化は無差別な人命殺傷を生み出し、人間性を歪め、

人を物と同一化させて顧みない恐ろしい世界を生み

出します。

11月半ばでしたか、プーチン大統領が、ウクラ

イナ侵攻を「聖戦」と呼び、霊的に深化・昂揚させ

て語ったことをロシア正教の総主教が全面的に支持

したという報道を見て驚きました。無気質に人命を

損なって止まない戦争に神や信仰の名を持ち出すこ

とが許されて良いのでしょうか。歴史的にキリスト

教もその点で多くの過ちを犯してきたことを、私た

ちは率直に認め、深く反省しなければならないと思

います。

先週8日は日本軍のハワイ真珠湾奇襲攻撃で太平

洋戦争が始まった日でした。その日は「大詔奉戴日」

と呼称されました。現人神(あらひとがみ)である

天皇が宣戦を布告、「東亜永遠の平和の為に」鬼畜

米英をアジアから放逐する「聖戦」だと教えられ、

毎月8日には必勝祈願の為に学校から集団で神社参

拝をさせられました。

天皇を神と崇める軍人の中には、所謂「神がかっ

た」人も少なくなかったようです。天皇の名の下で、

外に向かっては残虐行為も是認され、内では「贅沢

は敵だ。欲しがりません。勝つまでは」と窮乏に耐

えることを強いられた小学生時代でした。

「平和ボケ」が指摘される中で、緊張した国際関

係を背景に軍備増強が公然と諮られている国情を憂

いると当時に、窮乏に見舞われ、寒さに襲われ、恐

怖に晒されているウクライナの人々にクリスマスの

喜びと平和が一日も早く訪れるようにと心から祈ら

ずにはおれません。

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