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共に聖書を読む        泉清隆

昨年6月に発行された「新使徒運動はなぜ危険か」という本を出版されたウィリアム・ウッド、カルト問題セミナー講師の本を手にしました。その中に、The New Apostolic Reformation「新使徒改革」新使徒運動に賛同する人々は、アメリカに数千万人いると推定されているが、そのほとんどはトランプの熱烈な支持者たちだと言われる。…(カルト問題の世界的権威者として知られる)スティーブン・ハツサンは特に、「預言者」が語る「神からの啓示」の危険性について警鐘を鳴らす。大統領(トランプ大統領)、または国会議員に対して、「私には神から啓示されたことがある。あなたはこうすべきだ」というメッセージが伝えられると、国の政策に何の影響もないとは限らない、という。実際に、大統領とのパイプを持っている「預言者」がおり、トランプ大統領に指示を与えている人がいる。(第4章「政界にも影響力を増す新使徒運動)これを読んでおられる方にとっては、「新使徒運動」という言葉が何を意味しているかがわからない方もおられると思いますが、私なりに気がついた事は現代の「使徒」ということで、「新使徒」であるといっているのだと思います。以前は繁栄の神学、支配神学ともいわれていたものと共通するものがあります。マルコによる福音書3章15節にはイエス・キリストが弟子を選び出されて、「悪霊を追い出す権能を持たせるため」とあります。それで、神から権威が与えられているから、悪霊を追い出し、病を癒やし、奇跡を行い、また、地球をも支配する事ができるというものです。結果、病気になっても医者、薬を拒否し、極度の近視は治ったといって眼鏡をかけずに運転し、妊婦が出産で医者にかからず死亡した事が報告されていました。

 現在、世界に危機をもたらしている新型コロナウィルスに対して、「コロナは終わった」と宣言して、人々に誤解を与えていると書かれてありました。

 そしてこの新使徒運動に賛同している人の大部分はトランプ支持だといいます。そして、「人間トランプは第二のキュロス」であるとしています。

 また、預言を語る新使徒とされる人たちが、今回の「新型コロナウィルス」のことについて預言した人は一人もいなかったと報告されています。

 最後にこの新使徒運動は今後どうなるのかという事が書かれてあって、勢いが減少する事はあるだろうが、ムーブメントそのものがなくなる事はないと、その理由は人を支配して利益を得ようとする人間、また、指示されたい、コントロールされたい人がいる限りは存続するというのです。

私は複雑な問題がある世界で、分からない事が多い中で、考える事をしないで、指示を受けていく人たちが、増えるのではないかと思います。そこで大事な事は、聖書に聞いていく事だと思います。そしてバプテスト教会は共に聖書を読み、聞いていく事の大切さを思います。

*キュロス…紀元前538年/537年に「キュロスの勅令」を発し、バビロン捕囚にあったユダヤ人をはじめ、バビロニアにより強制移住させられた諸民族を解放して帰国させたことから旧約聖書イザヤ書44章28節~45章1節では油注がれた者…メシア(救世主)と呼ばれています。またこのとき、キュロスは新バビロニアのネブカドネザル2世によって略奪されていたエルサレム神殿の什器を返還し、エルサレムに神殿の再建を命じました。

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