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環境適応力

恐怖の条件反射というのがありまして、ネズミを 部屋で飼育して、ベルを鳴らして、数秒後に床に電 流を流す。これを繰り返すと、ネズミは学習によっ て、「ベルの音→電流」という条件反射を作り上げ るのです。それでベルの音を聞いただけで、床から 飛び上がると言う事になります。これが恐怖の条件 反射です。 次に環境を変えます。ベルの音を鳴らしても電流 は流さないようにします。そこで環境に適応力のな いネズミは一度出来上がった恐怖の反射条件が消え ないので、ベルの音を聞く度に飛び上がるのです。 しかし反対に適応力のあるねずみは最初の二三回は 飛び上がるけれども、すぐに新しい環境に適応して、 ベルの音がなっても飛び上がらず、平静に床を這い 続けるのです。 ではそのネズミに適応力のあるかないかはどこで 違ってくるのかと言うことですが、例えば、恐怖の 実験の前に、ネズミを①親の愛情を人工的に与える。 ②なにもせず放置する。の二つに分けて、人工的な 愛情は親ネズミの毛を切ってブラシを作り、親の体 温と同じくらいに温めておいて、それで子ネズミの 体の表面を優しくなでてやるのです。そのようして 実験しますと、①は環境に適応するネズミとなり、 ②は恐怖の反射条件が抜けないネズミ、不適応のネ ズミになってしまいます。 親の愛情が子どもをリラックスさせて、反射条件 が消えて、また新しい反射条件が作りやすいと言う ことですが、あらゆる状況において適応する能力は 動物でも人間でも愛されているかと言うその一点に かかっているのではないかと言うことのようです。 「物欲しさにこう言っているのではありません。わ たしは、自分の置かれた境遇に満足することを習い 覚えたのです。」 フィリピの信徒への手紙4章11節 泉清隆

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