「再び立ち上がる為に」 泉清隆
- kogabaptist
- 3 日前
- 読了時間: 3分
25日の朝日新聞には、107人が死亡した2005年の
JR宝塚線脱線事故の教訓を受け、JR西日本は人が犯
すミスへの考え方を大きく変えたとのニュースが書かれ
てありました。それは人間科学に基づく新しい考え方を
採り入れ、運転士らのミスを原則処分しない運用を導入
したというのです。この運転手は事故の一年前には停止
線を100Mオーバーしたミスをして、助役ら3人から厳し
い事情聴取を受け、訓告の処分を受け、期末手当も減
額され、13日間の日勤教育で計20項目のリポートを書
いた事がありました。そして約一年後に今度は70Mの停
止線オーバーによる1分20秒の時間を取り戻すために、
速度を超過してカーブを曲がりきれず脱線事故が起き
ました。
事故後の検証では、個人の責任を追及する管理方法
は「逆に事故を誘発する」と指摘されました。従来の考え
ではミスは不注意によって起こり、罰すれば再発を防げ
るというもので、社会の多くの考え方はそのようなもので
す。しかし1960年代から欧米では「人は誰しもミスをす
るものであり、故意、怠惰以外は非処分にして隠さず報
告してもらい、再発防止につなげることが大事だ」との考
えがありました。私はここには、聖書の価値観があるので
はないかと思いました。
あの3月11日の東日本大震災での福島第一原発の
事故調査委員会の委員長は失敗学で有名な畑村洋太
郎でした。畑村さんは委員会の初めにはっきりと「調査
は犯人探しではありません。誰かの責任追及のための
委員会ではありません」と宣言しました。もし誰が悪いか
を追求すれば真相は分からなくなる。誰もが自分を守る
ために本当のことを言わなくなってしまうというのです。
病人が病院へ行った時、医者は責めるのではなく癒し
ます。そのようにキリストは問題を責め立てて、裁くために
来られたのではなく、神から離れた者を赦し受け入れ、
再び立ち上がらせるために来られた救い主なのです。
☆スペインのアランフェス刑務所。赤ちゃんがいるにもか
かわらず、犯罪に手を染めてしまった囚人達。刑務所に
入る犯罪者の家族にとって、こんなに辛いことはありませ
ん。しかしこのアランフェス刑務所は育児室が完備され
た、世界初の家族で過ごせる刑務所です。入所条件は3
歳未満の子どもがいる囚人のみ。これも更生を目的とし
た理由があってのことです。家族と共に穏やかに過ごし
た囚人達は、出所後に再び犯罪を犯すことがなく、何と
この十数年で出所してから罪を犯した者は1人もいない
とのことです。
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