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ユーモアの中にある輝き (ヨナ書3章10節~4章11節)

  • 金子敬
  • 2015年11月20日
  • 読了時間: 2分

十二小預言書(ホセア書~マラキ書)の中で、最も預言書らしくない不思議な雰囲気を醸し出しているのがヨナ書です。ところが、この書は、執筆のテンポの良さと豊かな物語性のゆえに、大人から子どもまで人気があり、愛読者も多いのではないでしょうか。私自身、教会に通い始めてすぐにヨナ書にのめり込んだものです。面白い、実に面白い!と。

ヨナの名は北イスラエルのヤロブアムⅡ世の時代(BC793~753)に活躍した預言者として登場します(列王記下14:25)が、同時代の預言者であるホセア、アモスなどとは全く雰囲気を異にしています。今日の聖書学者によれば、ヨナ書の歴史背景は250年以上後のバビロン捕囚期後であろうとされています。人々はバビロン捕囚の体験を経て、イスラエル中心の選民思想に基づく歴史観への批判が起こされ、よりグローバルなものへと意識改革が始まっていたようです。批判はユーモアの中でこそ輝くものです。まことにヨナ書の魅力は、選民意識にこだわりつつも神の憐みに気付き始めた人間味あふれる預言者ヨナにありますし、又、悔い改める者には分け隔てなく救いを与える神の愛の豊かさを記すところにあると言えましょう。

「神は彼らの業、彼らが悪の道から離れたことを御覧になり、思い直され、宣告した災いをくだすのをやめられた。ヨナにとって、このことは大いに不満であり、彼は怒った。」(ヨナ3:10~4:1)。ここには、神の愛と、人間の義(義憤)との激しい対立が描かれています。新約の時代に生きる私たちでさえ、自分を棚に上げて、正義感を持ち出して他者の罪を赦せない感情に支配されていることがあります。しかし、「お前は怒るが、それは正しいことか」(同4:4)との神の声を背に受けているのです。神はあらゆる人々に救いの御手を差し伸べています。「それならば、どうしてわたしが、この大いなる都ニネベを惜しまずにいられるだろうか。そこには、十二万人以上の右も左もわきまえぬ人間と、無数の家畜がいるのだから。」(同4:11)との言葉でヨナ書は終わります。これにヨナがどう答えたのか記されていません。何故なら、この問いは、私たち読者に向けられているからです。

                                                    TK生

 
 
 

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