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自分の物は誰の物 (ペトロの手紙一 4章7~11節)

  • 金子敬
  • 2016年2月27日
  • 読了時間: 2分

「あれも欲しい、これも欲しい」と、たくさんの物を手に入れたくなるときに、「わたしの物はわたしのもの、あなたの物もわたしのもの」との誘惑にかられることはないでしょうか。これを「貪欲」と言います。最近の日本が推し進めようとしている「富国強兵」の国家(経済)戦略も、実はわたしたちの貪欲意識に巧みに結びついているように思われます。

経済が、他者の物を自分の手に移すマジックに酔うなら、最早それは破綻しているのです。経済では貸借対照表(バランスシート)を重視しますが、なぜ「貸借」と表記するのかと言えば、それは「経済(エコノミー)」が聖書にある「管理の務め(オイコノミア)」に由来しているように、すべて物は神からお借りした物であり、神の御事業に貸し出すことで成立する、との経済の基本原則によるからです。即ち、今手許にある物は全て神からお預りしている物なのです。パウロが「いったいあなたの持っているもので、いただかなかったものがあるでしょうか。」(Ⅰコリント4:7)と記す通りです。

聖書は「神のさまざまな恵みの善い管理者(オイコノモス)として、その賜物を生かして互いに仕えなさい」(Ⅰペトロ4:10)と銘記します。「賜物」とは神からお預かりしている「借方(かりかた)」なのです。それは自分の懐を肥やすためにあるのではなく、神の前に報告できる「貸方(かしかた)」として神の御業をあらわすため、他者に仕えるためにいただいたものなのです。

教会はこれを(オイコノモスの英訳スチュワードから)スチュワードシップ「賜物の管理者としての心得」と言い表します。すべての物は神の御業のため、即ち、他者を生かす働きとなるように管理して用いるのです。自分の健康、自分の財産、自分の才能・・・、しかし、それらはすべて神の御業に用いられるためのものと知るならば、その賜物の大小に関わらず豊かな人生を築くことが出来るのではないでしょうか。周囲を眺めて自分のところにはたくさんの物が蓄えられていると安心する生き方ではなく、どれだけ他者の必要に仕えているか、賜物の主である神の御前に自らのバランスシートを報告する責任があると知って生きることが大切なのです。 

                                                     TK生

 
 
 

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