わたしに従いなさい ヨハネ21:20~25
- 内山賢治
- 2016年4月8日
- 読了時間: 2分
イエスの磔刑の時にイエスから離れた弟子たちの数人は自分たちの故郷ガリラヤで網を編み生業の漁業に戻っていました。師イエスを忘れたい、記憶から消したい一心で生業に精を出していたことでしょう。否と言ったあの時の自分の行動、逃避する生き様に慙愧があったことでしょう。イエスが顕現された物語がヨハネ21章です。シモン・ペテロ、トマス、ナタナエル、ヤコブ、ヨハネらとイエスは一緒にパンと魚を食します。マルコ6章34~44節の五千人の供食を思い出します。イエスは神による復活の後、自分を見捨てたペトロに合って声をかけます。「わたしの羊の世話をしなさい」(21:16b)「わたしの羊を飼いなさい」(21:17b)と。この言葉をかつてペテロは聞いたことがあると省察したに違いありません。「わたしは良い羊飼いである。良い羊飼いは羊のために命を捨てる」(10:11)「わたしは自分の羊を知っており、羊もわたしを知っている」(10:14b)と言われた生前のイエスの言葉を、ガリラヤで復活のイエスに再会したペトロは内観したことでしょう。復活のイエスはペテロに対して「愛しているか」と三度呼びかけられます。イエスはペトロに対して深い関係性を繋ぎ続けます。そしてペトロが「振り向く」と自分と同様のイエスの愛弟子がイエスについてきていました。過日を「振り向く」ペトロがいます。目と目が合います。あのとき気になったことがあります。どうしてもイエスに聞いておきたいことがあります。愛弟子は誰であるかは特定されていませんが、この弟子の最期がどうなったのかとペトロが尋ねた時「あなたに何の関係があるか。わたしに従いなさい」とイエスは厳命しました。あなたは誰と関係を結びたいのですか。この今、誰に従おうとしているのですか。あなたが執着するものはいかほどのものですか。自分の命ですか財産ですか名誉ですかと私には聞こえてきます。「イエスは、『わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう』と言われた。二人はすぐに網を捨てて従った」(マルコ1:17~18)弟子に、三年の時を経て同じガリラヤでイエスは「あなたに何の関係があるか。わたしに従いなさい」(ヨハネ21:22)と関係性を宿望され続けるのです。
古賀教会執事 内山賢次
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