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生き続ける

  • 泉清隆
  • 2017年4月16日
  • 読了時間: 2分

JALの研修で、客室乗務員の研修を担当している方のお話しで、とても感動的なお話です。重度の心身障害を持って生まれた息子さんの介護を、だいたい四十年くらい続けた老夫婦がおられました。息子さんが肺炎のために四十歳で急に亡くなられました。お父さんお母さんは悲しみのために、長く引き籠もっておられたのですが、いつまでもそういうことをしていてはよくないと、息子さんの写真を持って旅に出るということを始められたそうです。それで、いい景色があるとカバンの中から息子さんの写真を取り出して三人で景色を楽しむと、そういうことですね。ある日の空の旅での体験です。時々機内アナウンスで、「左の窓から富士山がとっても綺麗に見えます」というアナウンスが入ります。さて、このご夫婦が旅をしておられた時に、機内アナウンスがありました。「富士山が左の窓からとても綺麗に見えます」すぐにお母さんはカバンから息子さんの写真を取り出して、窓際に掲げられました。そういうシチュエーションですね。ちょうどその機内アナウンスがあって、お母さんが写真を取り出して窓際に掲げた時に、ドリンク・サービスの客室乗務員がワゴンを押して来まして、ご夫婦はジュースを注文しました。それでこの客室乗務員はお二人にジュースを渡したのですが、窓際の写真に気がついたのです。そして全体の雰囲気から「ああ、そうか」と思って感動して、そしてもうひとつコップにジュースをついで、次の言葉なんです。「窓際の方にも、おひとつどうぞ」と言って、ご夫婦にもうひとつジュースを渡されたのです。この行動にお母様がものすごく感激をされて、思わずそこで熱いものが込み上げてきた、とても嬉しかった。そして羽田に着いてすぐにJALの事務室へ行って、「今日、機内でこんな素晴らしい体験をしました。本当に嬉しかったです。さすがJALさんはいい教育をしていますね」と感謝をされた。この話を聞いた柏木哲夫氏は、時に、「『いのち』というのは無限なんだなあ」と思ったそうです。この息子さんは生命の終焉を迎えましたが、しかしこの息子さんがこの世に存在した意味、彼の命はお父さんとお母さんの心の中にずっと生き続けています

今日はイエス・キリストが十字架の死より甦られたイースター(復活祭)です。イエス・キリストはわたしたちと共に生きておられます。

(柏木哲夫氏…淀川キリスト教病院理事長、ホスピス財団理事長)

 
 
 

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