地の塩
- 泉清隆
- 2017年5月7日
- 読了時間: 3分
『毎日かあさん』という人気漫画で知られる西原理恵子(さいばらりえこ)さんのその生い立ちはどん底だったそうです。実のお父さんは酒乱で、彼女が生まれる前にお母さんは暴力から逃れるために離婚しました。
やがてお母さんは再婚しますが、その相手は根っからのギャンブル依存症だったのです。彼女は高三の時、友人と宴会騒ぎをしているのがばれて退学になります。唯一の特技だった絵で身をたてようと大阪の芸大に進学を決めます。
しかし、その受験当日ギャンブルで全財産を失った父親は自殺してしまうのです。彼女は絵を描く人になって東京で食べて行く!もうこんな嫌な思い出しかない街には二度と戻らない!と決意し、母親がかき集めてくれた全財産百万円を持って上京するのです。まさに背水の陣で絵描きへの道をまっしぐらに進んでいくんです。彼女は美大に入るためにまず予備校に入学しました。ところがそこで出される課題に対して彼女が提出した絵の評価は毎回毎回ダントツの最下位なんです。自信たっぷりで出した作品はことごとくダメ出しを食らうのです。お母さんからもらった百万円は学費と家賃と一人暮らしに必要なものを買っただけでほとんど底をついていました。
それなのにプロになるどころか予備校ですら上位はおろかビリ欠です。さすがの彼女もすっかり心が折れてしまうのです。何しろ受験のプロたちが、毎回毎回あなたはダメだダメだと言うんですから自信など持てなくなって当たり前です。しかし、その中で彼女はふと気が付くんです。自分は予備校で一番になるために上京したんじゃない。自分の本来の目標は絵で食べていくことだ。さっさと美大を諦めた彼女は、片っ端から東京の出版社に自分のイラストを持ち込んでPRをします。断られても断られても作品の持ち込みを続けていく中で、やがて彼女の絵ではなくあっけらかんとした性格が同情をうみ、絵を描かせてもらう機会が開かれていったそうです。今や押しも押されもせぬプロも漫画家になりました。そんな彼女の心を一度へし折った物はなんだったでしょう。この世の物差しです。それは実力を計る点においては参考になりますが、しばしば本来の目標、本来の目的を見えなくさせてしまうものになります。
この世ではどんな人が価値あると言われるでしょう。
勉強ができる人、成績が良い人、能力の高い人、美しい人、役に立つ人。そういうものは確かにある面で実力を計るその物差しにはなっていますが全部この世の見方です。しかし、神はあなたをそのままで価値ある存在だと見てくださってるんです。なぜでしょう。神があなたをお造りになったからです。絶対に間違ったり、しくじったりしない神が造ったあなたという存在は素晴らしい存在なのです。
イエス・キリストはあなたは地の塩といわれました。
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