何のために働くのか?
- 金子政彦
- 2018年5月12日
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2009年、魂を 込めてペン キ を 塗るボランテ ィ ア集 団「塗魂(とうこん)ペ イ ン タ ー ズ」が結成され ました。零細 の塗装業者10 人あまりでのス タート でした。 当時 の塗装業者(ペンキ屋さん)のイメ ー ジとして、 「きつい」、「 汚い」、「危険」、「素行のよくない 人 た ちの集まり」…といったネガ ティブ なイメ ー ジが強 かったと言います。しかし塗装業界 の 中には、自分 の 仕事に 誇りを持って 働きたいと願う職人 た ちがい ました。 そのような 志を持つ職人 た ちが集まって、 学校や保育園などで無償のボランテ ィアを 始めます。 ボランテ ィ ア活動がは じまる 中で、 呼びかけ 人の一 人である男性職人には「 交 通費や宿泊費、全部自腹 でボランテ ィアに 行 く価値が本 当にあるのか ?みん なを 巻 き 込んでいいのか ?」という葛藤がありまし た。 そ の葛藤は、2011年3月11日の 東日本大 震災で、大きく 変わったといいます。 そ の男性 は 語っています。 「色のあった 街 が灰色 の津波 に 飲 み 込まれた。 水 が 引くと、 そこは、 色のない白黒 の世界だった。 泣 い ている 人、困っている 人がいる 街 に 行き、ペン キ で 色 を 塗って元気にしよう。 それは、 俺 た ちにしかで きない。ボランテ ィアで 人生、完全燃焼だ。」 共感 は 拡がり、いまやメンバーは160 人 を 超え、 日本 国内にとどまら ず、海外までボランテ ィ ア活動 の 場所が 拡がりました。カネ儲けのビジネスではな い、魂を 込めた 働きに、注目 と共感が集まっていま す。 それは、葛藤 を 超えて、無償 の 愛 を動機にした、 他者 に 仕える 働きです。 ロシアの文豪トルスト イは、『神の 愛がわたした ち の 心 に 与えられている』といいました。 それは、ヨ ハネの手紙Ⅰ 4:16に書かれた神の約束です。『神 は 愛です。 愛にとどまる 人は、神の内にとどまり、 神も そ の 人の内にとどまってくださいます。』 『人は、 イエスさまから 与えられている 愛によっ て、自分 の 為にではなく、他者 の 為 に 働くことで、 お 互いがお 互いを 支えあって生きている。』 かつてトルスト イ が 語った その言葉が、時代 を 超 えて、この現代の日本にも実現しています。
金子政彦
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