ザアカイの生きた時代

この時 代のローマ 帝国は 領 土 拡大と 共 に 巨 大な富 がローマに 流入してきます。この 富 を利用して、 首 都ローマに立派な公共施設、更 に 広 大 なローマ 領 内 の道路整備。また、ローマの都市設備 と経済的な豊 かさを見せ付 ける事で 強大国ローマへの抵抗 が無駄 だ と 言う事を示そうとしたとされています。しかし、 それらを 造 り維持するには当然 多 額 の費用 が 掛かり ます。 そこで税収入。このためローマは 領内にお け る 税 を徴収するのに そ の地域 に密着した民間人を 起 用します。地域 に精通した人 物、徴税業務(プブリ カ ーニ)の特権を、ローマは入札形式で地域 の民間人に 広 く売リ出したのです。徴税 の特権 を買っ た 者には、 そ の徴収額の上 限を全く設けな か ったため、「徴収額 が高け れば高いほどより利益 を生む」と 言うよく な い徴税ビジネスが成立したようです。 税 が税以上の 利益 を 生み出す。悪質な取 り 立てを行っても、ロー マの名を出せ ば 逆らえ ない、当然ながら、イス ラ エ ル などの 属 州 民には徴税人およびローマへの反感 が 増大します。しかし 富に執 着する事を 覚えたローマ および 属州の 富裕層 は 更に大きな富 を 求めます。 本来の税以上に利益 を 産み出す税ビジネスに 気 付 いた 富裕層は、徴税業務 に投資をし、 更 に 税 を 支 払 え な い 農 民 に 対して金 融 業(お金の 貸付)を 行います。 それまでの物々交換では な か な か 思うものが 手に入 ら な い状況を一 変し、貨幣があれ ばいつでもどこで も 欲しい 物 が 手に入る、とても 便利なもので、 そ れ までの経済 制 度を一 変する システ ムでした。この 便 利さゆえに、 将来に 対して 蓄えが 可能と なり、これ が講じ て過度 の貯蓄熱 と財産 の 利 殖 思 考 が 生まれ、 徐 々にあく な き 富 に追求へと発展します。まさに 富 が 富 を 産 む 考えです。しかし一方 その日の生活 が 精 一 杯 と 言う人 々との格差 が 広がり、 貧 富 の 差 が 生 じ ます。ローマ 帝国の 共 和 制の後半期には、戦乱と内 紛でローマの政治組織 は腐敗構 造 を露呈し、金で 買 え ないものは 無いと 言う拝金主 義 が蔓延し、 税 制 度 不備 を 突いて 税 逃れも横行します。 重 税にあえ ぐ 者は 借金に追詰められて 行きました。 農 民 は 借金が 支 払 え な く なり、 農 地 を 手 放 す 者 も 現れます。 そこで、 ローマおよび 属州の一 部 の 富裕層は、今 度 は 農 地 を 得る事で更な る利益 を追求するように なり、賄賂 を 贈 ったりして 自分が所有する農園 の課税を下 げさせ、 零落した 農 民 を低賃金の小 作人として 使 用すること で、 十 分な利益が出る事が分かり、 属州内の 肥 沃 な 地帯 の 農 地 が投機(マ ネ ー ゲ ー ム)の対象 と なりまし た。ガリラヤを 含 む パ レスティ ナ の 肥 沃地帯では、 ローマの 富裕層 や エ ル サレムの神殿貴族 や ユ ダヤ人 富裕層が所有する大農園 が 発 生してきます。

そこで、ローマの政 府はこの 町 に税関 を設け、この 町 を 通 る行商人から 税金を 取 り 立てていたのです。 ザ アカイは「金 持ちであ った」とあります。 そこで、 い ろ い ろ と推測をします。 恐らく 彼は、 そのような行 商人から不正な取 り 立てをして、私腹 を肥やしていた のだろう。時代背景からは推測は出来ますが、「 そこに ザ アカイという人がいた。この人は徴税人の 頭で、金 持ちであ った。」だけでは判断が出来 ないと 思いますが、 いかがでし ょうか。