「人生相談 有りのままでいい」

購読している新聞 に 人 生相談が掲載 さ れている。 「悩みのるつ ぼ」という タイトルだ。大胆 な 考 え 方 を示 唆する回答者もいる。相談 内 容 に 対して自 身 の 回答 を準備して 意見を読むことにした。回答者 は ど のように 応えるか想 像し、 読 み 進めていくと自 分 の 浅薄さに恥ずかしくなる ことは多々ある。回答文 に は人格が滲 み 出ている。◆質問者の高校生は 吃音で 生活に苦労をし、 吃音の真似 な ど さ れ た経験 は 悲 し くスト レ スが溜 ま っていく。今後の不安 を 訴え、「 吃 音で 将来に自信 が持てない」相談だ。 皆 さ ん は ど の ように回答 さ れ る ことだ ろうか。◆回答者 の 姜尚中 さ ん(政治 学 者)は「とても 辛 い 思いをしているでし ょ う ね、我がことのように感じ ら れ て仕方がありま せん」と書き 出 さ れた。「 吃音は 君 の せいでもな け れば、親 の せいでもない。」 吃音に 苦しめられ結婚 ・就職、対人関係でハンディーを負っている集会に 招か れた時、数分もか け て 僅かな言葉を 絞 り 出すよ うに渾身 の 力 で 声 を 出そうとした質問者 の 姿 は掛け 値なしに 崇高で美しく、その 出来事は人間 の尊厳が あ り ありと 映 し 出 さ れていた ことを紹介し、高校生 に「 喜怒哀楽を 全 身 で表現する ことは無様（ぶざま） でもない」と 締めくくら れていた。 ◆ 若い時に 吃 音 に悩ん だ経験者 の 姜尚中さ ん は『こ の者が 盲 人にな ったのは 誰 が 罪 を 犯した せいですか。御本 人ですか、 そ れとも 両 親ですか。イエスが答えた、 こ の者が 罪 を 犯したのではなく、また 両親が 犯したわけでもな い。そうではなく、神の業がこ の 者において 顕 れ る ためで あ る』（ヨハネ福音書9章/田川健三訳）とい う聖書の言葉 が基底 にあったのではなか ろうか。 ◆ 「『魂 は 塵の中に 伏して』『魂 は 悲しみの あまり 溶 け てしまいそう』詩 篇119 編28 節）しかし あなたには あなたの 苦しみを 担 ってくださる方がおら れるので す。さ あ、『あなたの言葉 どおりに 私 を 立ち上 が ら せて下さい』（ 詩 篇119 編28 節）と 叫 んでみまし ょ う。 私 は 人 を 立 ち 直 ら せる御言葉に出合いました。その 方は今日も あなたに語っておら れるのです」と言 わ れるのではないか。◆姜尚中さ ん は鎮西 学 院(長 崎 のキリスト教学校)の学 院長で、キリスト教 大学の 学長を 勤めた 方でも ある。 出自、青年 期まで日本 名 を名乗 っていた こと、 在 日 コリア ンとしての不安、 息子の 死 な ど 自 分 の 弱さをカ ミ ン グ ア ウトしてき た。ハンディーは無様ではなく、 寧 ろ美ししいと言い 切 る 立 ち位置 を 改めて 考える日であった。