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「イエス・キリストが語られた言葉」 泉清隆

次週はペンテコステです。使徒言行録2章5~11

節には多くの言語が語られていたと書かれていま

す。そして一人ひとりが外国語を語り出したとペン

テコステの出来事が記されています。

今回、日本聖書協会の機関誌(ソア)の中に、髙橋

洋成(よな)と言う方が聖書の言語の通説に新たな示

唆を与えています。「新約聖書の最古の形態(本文)

はギリシア語の写本である。しかし、イエスが使用

していた言語はアラム語だった......というのが通説

となっている。前6世紀のバビロン捕囚以降、ユダ

ヤ人の日常語はヘブライ語からアラム語へと移行し

た。旧約聖書のヘブライ語は古典語として教養層に

のみ理解されており、教養層と対立したイエスは日

常語のアラム語で民衆に語りかけた......研究者によ

って細部は異なるが、概ね以上のようなストーリー

が描かれる。ところが、である。20世紀半ばにユ

ダ砂漠(死海周辺)から大量の文書が発見され、おお

よそ前3世紀から後2世紀の間に書かれたものと同

定された。(死海写本)つまりイエスと同時代の文書

を含んでいるその多くはヘブライ語、アラム語(ナ

バテア語を含む)、ギリシア語で書かれており、少

数ながらラテン語、アラビア語の文書も存在する。

このうちヘブライ語の文書に着目すると、この時代

には大きく二種類の書き言葉が併存していたことが

判明し、......イエスの時代には日常的な話し言葉だ

った可能性が大きくなったのである。...通説とは異

なり、ヘブライ語が書き言葉と話し言葉の両面にわ

たって、商業活動や私的交流を支えた「活力ある日

常語」であったことは、否定できないものとなった。

一方、イエスの時代のアラム語も『活力ある日常語』

であったのは間違いないが、その実態の解明は進ん

でいない。」長く引用しましたが、新約聖書のマル

コによる福音書の「タリタ、クム」(5:41)、「エッ

ファタ」(7:34)、「エロイ、エロイ、レマ、サバク

タニ」(15:34)は、学者の言語知識ではアラム語と

もヘブライ語とも断定し難いそうです。むしろマル

コは意図的に「なまり」を散りばめていて、事実、

マタイによる福音書は「お前もあの連中の仲間だ。

言葉のなまりで分かる」(26:73)のように、イエス

や使徒らに「ガリラヤなまり」があったとあります。

また、ヨハネによる福音書の「ラボニ」(20:16、マコ1

0:51)は、「サマリアなまり」の可能性があるそうです。

イエスの故郷であるナザレはガリラヤとサマリアとの

境界付近にあったため、イエスが「サマリアなまり」

を理解できたのではないかと言われています。

いろいろな国の言葉で、また方言でもイエス・キリ

ストの神、聖霊なる神を礼拝したいと思います。

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