「キリストにおいて一つである」 木村憲子
日本バプテスト連盟では、機構改革の中で総会改 革を通して取り組んでいるのが、選挙における「※ クオーター制」です。今までの連盟の理事やその他 の役職は、その圧倒的大多数が男性の教役者でした。 クオーター制は、そのような固定化されたあり方を 変えて多様な人びとが協力伝道を担うようになるた めの選挙の仕組みです。それによって今後は女性の 信徒、女性の教役者、男性の信徒、男性の教役者と さまざまな立場の人が運営に参加する可能性が開か れるのです。 使徒パウロは、女性たちの教会生活に対する否定 的な言葉を書き記しています。(Ⅰコリント14: 34~36)その他にも女性が教会で指導力を発揮 することを禁じるような記述が見られます。(Ⅰテ モテ2:12)…しかしパウロは興味深いことに、 他方では同時にガラテヤ書3章28節のように固定 化された性役割を超えるキリストの恵みについて記 しています。バプテスマを受けてキリストに結ばれ ることは皆が「キリストを着る」ことであり、そこ には何ら文化的・社会的差別も断絶もなく、男性も 女性もキリストにおいて一つであると宣言している のです。 教会の姿、神の国の在り方とは、この「皆がキリ ストを着ている」「キリストにあって一つ」である ことがすべての基盤です。(日本バプテスト連盟宣教部長補 佐:藤沢教会協力牧師:東京バプテス神学校校長:坂元幸子先生 「世の光」2022,2月例会プログラムより一部抜粋) 今日、生物学的な性差を前提とした社会的、文化 的な性差をなくそうというジェンダーレスの試みは 社会のあらゆる面で急速に進んでいます。多様性の 中にあってわたしたち、教会も価値観が多様化して いること、そこにジェンダーから見える人権や差別 にどう受け止め考えて行くのか、意識も変わること が求められていると思います。すべてのものの父で ある神は唯一であって、すべてのもの上にあり、す べてのものを通して働き、すべてのものの内におら れることは、なんと素晴らしいことでしょうか。さ らにすべての人の上に平和の主であるキリストのき ずなで結ばれることを願うものです。 ※積極的な改善措置の手法の一つであり、人権や性別などを基準に 一定の人数や比率を割り当てる制度のこと。
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