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「パレスチナ問題とキリスト教そして日本」 泉清隆

このタイトルで濱野道雄氏が論文を書いておられ

ます。2020年の4月のものですが、今必要な学びで

あると思い引用し、まとめました。先週の続きです。

この論文は 1.現状の説明(先週の内容)

2.歴史

パレスチナ問題の本質は宗教問題ではなく、土地

問題、経済問題である。そしてキリスト教シオニズ

ムの問題点を指摘している。シオニズム運動は宗教

的運動ではなく、政治的運動である。建国の地は「ウ

ガンダ」「キプロス島」も候補にあった。西南学院

大学名誉教授のラビであるマゴネット氏は「ユダヤ

教徒がいれば、世界中のどこでもそこが『イスラエ

ル』と考える」といっている。

3.日本人としての責任

「同質な者だけが生き残る」世界観ではなく、「異

なる者が、ともに生きる」世界観を求める。聖書の

イザヤ書も福音書も「異なる者が、ともに生きる」。

壁に隔てられて「出会えていない人」と出会う気が

あるのか。敵と思えるその命もまた神の創造した、

神の愛した命だと認識しているか。

4.キリスト者としての責任

置換神学の克服というテーマは少し難しいが、キリ

スト教は基本的には「ユダヤ教ナザレ派」という位

置付けである。旧約聖書(ヘブライ語聖書)ユダヤ教

の中から新約聖書(ギリシア語聖書)イエス・キリス

トの受肉、誕生、生涯、十字架、復活と続く、歴史

理解である。ユダヤ教徒を認めることだと思う。

5.生きている人々という立場

「エルサレムでともに祈り会」ではユダヤ教、イ

スラム教、キリスト教の教役者が集まり、同じ聖書

の箇所から、3つのメッセージを聞きあい、それぞ

れのスタイルで共に祈る集まりがあり、そこではラ

ビ(ユダヤ教指導者)とイマーム(イスラム共同体の

指導者)が握手をしているそうだ。

6.パレスチナ問題の行方

「人と人」から始めるという方法論。

この概念は2019年に亡くなられた元国連難民高等弁務

官の緒方貞子氏が国連の「人間の安全保障委員会」の

共同議長の時に提唱したものである。

「言っておくが、いつか、東や西から大勢の人が来て、

天の国でアブラハム、イサク、ヤコブと共に宴会の席

に着く。」マタイによる福音書8章11節、それはイザヤ

書11章6節の延長線上にある。

「西南学院大学学術研究所 神学論集78巻1号」

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