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「人生の旅路」 劉雯竹(リュウブンチク)

人は誰もが、どこかへ旅に出かけることがありま

す。20世紀以降、「観光・旅行」ブームの発生によ

って、「自ら好んでする旅」が広がり始めました。

ある研究者は観光を起こさせる欲求・動機を、知識

欲求・見聞欲求・歓楽欲求にそれぞれ細分化してい

ますが、旅をすることは言うまでもなく、日常生活

を一時的に離れて自己を見直すという共通の意味を

持っています。平素とは違った環境での、自然や文

化、人々との出会いは、自己確認と発見の新たな機

会を作ってくれるのです。

私たちの人生は「旅」としてたとえられることが

多いです。愛の神によって旅に送り出されている、

それが人生である、と私は信じています。人々は本

当の自分自身に出逢うために、与えられた人生の日

々を歩き続けているのです。10歳、20歳、50、60歳

の自分……発達段階のそれぞれにおいて、出会う自

分があるように、時代や環境、生活スタイル、学ぶ

ことや出会う人が変われば、今までとは違う自分を

発見できるのです。

人生は、「出会う、出会いなおす」の旅と言って

も良いでしょう。自分や他者、神様、変化し続ける

世界と出会い、出会いなおす中で「本当に大切なも

のって何だろう」「自分がどうあるべきだろう」「ど

う生きていけばいいだろう」を問いながら、私たち

は歩んでいます。私自身は、17年前に「日本への旅」

を始めたことによって人生が大きく変わりました。

違う世界と文化、人と出会う中で、神様の深く広い

愛を知り、新たな自分も発見できました。

皆さんは、人生の旅の中で、誰と出会い、何を、

どのように学んでいるでしょうか。人生は楽しいこ

とだけでなく、時には悩みや挫折を経験することも

あるでしょう。しかしその時に一度立ち止って、旅

に送り出してくださった神の目と耳を通して、もう

一度「自分」と「周り」を見つめ直すことをお勧め

いたします。

皆さんの人生が希望に満ちた旅路でありますよう

お祈りしています。

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