「学び続ける」 泉清隆
先日9/21「外国人住民基本法」の制定を求める全
国リレー集会2023「開かれる教会 …からふるなわ
たしたち」と題して、日本福音ルーテルむさしの教
会牧師の李明生(りあきお)さんが講演されました。
(まとめると)
まず2023年5⽉の出入国管理及び難民認定法(入管
法)の改悪とは何を意味するのか、それは、日本は
低い難民認定率に改善策をとらない一方、難民申請
者の送還を可能にし、迫害を受ける恐れがあるのに
難民を本国に送り返すという「悪意に満ちた立法」
というのが言い過ぎとは決して言えない実情で、国
際的原則「世界人権宣言」から逸脱しているもので
あるということ。人権の軽視は国の秩序と地域社会
の崩壊を招き、決して外国人だけの問題ではなくな
る。少数者の権利を保障しない社会は、多数者の権
利も保障しない。では、そもそも日本のこの外国人
差別はどこから来たのかということで、関東大震災
のときの朝鮮⼈・中国人虐殺から今年は百年迎える
が、今日の研究から分かってきたことは、あの事件
は単なるパニックによってではなく、それは19世紀
末からの東アジアにおける日本の暴力的な植民地支
配の過程の中での必然性であった。「悪意に満ちた」
入管法の改悪の背後にあるものは暴力的な植民地支
配の歴史が、今もまだ形を変えて(制度的に)残り続
けているというのである。その根底に「歴史修正主
義」という「虐殺は無かった」「植民地支配は良い
こともした」という人権の軽視・蹂躙の過去を抹消
し、暴力的支配を正当化するもので、これは少数者
にとってだけの危機ではなく、多数者自身にとって
も危機的状況でもある。
では、どうすればよいのかという事で、「ホワイ
ト・フラジリティ… 私たちはなぜレイシズム(人種
差別)に向き合えないのか?」(ロビン・ディアンジ
ェロ)の本が紹介された。この本には「ホワイト・
フラジリティ…白人の心の脆さ(もろさ)」という概
念が書かれてある。それは人種階級の中で優位性を
保つことによって、白人が心の平静さを取り戻そう
とする反応だ。罪悪感は重苦しい感情だが、内なる
優越感は、それをどう表わすかを認識する努力を続
けることで大きな解放感を伴う。
生まれた時から存在する人種差別の文化の中で、自
分は当たり前に社会化されていたという前提で始めれ
ば、その事実を否定するためにエネルギーを費やす必
要はない。人種差別への加担をやめる方法は、まず人
種差別への加担を避けることはできないことを認識す
るべきだ。否定する、否定し続けるための自己防衛は
疲れることだ。人種差別を阻止するには、勇気と意志
が必要だ。阻止とは、受け身の行動でも自己満足でも
ない。そして、自分はもうなんでも分かつている、学
ぶことは何もないと決して思ってはいけない。
日本に住む外国にルーツを持つ人たちは全人口の4
%に達するとの事です。今や日本は多国籍多文化にな
っています。私は週に1回、外国にルーツを持つ子ど
もたちの日本語学習の手伝いをしています。昨年、今
年はパキスタン出身の兄妹です。妹のMさんは将来日
本とパキスタンの橋渡しをしたいと言っていました。
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