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「悲しみの中から思うこと」 松藤真理奈

「金城重明さん死去元キリ短大学長強制集団

死を証言93歳」。先週の日曜日、琉球新報のネット

ニュースにショックを受けた。そしてその記事の写

真にある懐かしい金城重明先生の優しい顔から想い

出が頭に蘇り、目が離せなくなった。

今から、約30年前、私は福岡女学院短期大学1

年生で、ひょんなことから夏休み交換留学生として

沖縄キリスト教短期大学の夏季キャンプに参加する

ことになった。ホームスティ先も金城先生のご自宅

で、ご夫婦で私たち4人の福岡女学院の生徒を家族

のように受け入れてくれた。夏季キャンプの行き先

は伊江島。講師は沖縄のガンジーこと阿波根昌鴻先

生。阿波根先生が自費で自宅の敷地にたてた平和資

料館「ヌチドゥタカラの家」とその隣りの木村浩子

さんの「土の宿」を拠点として、講演を聞き、礼拝

で金城先生から聖書のみ言葉をいただいた。夜はバ

ーベーキューをし、満天の空の下で沖縄キリ短の学

生たちと自分たちの将来を語り合った。

その時から、私は沖縄を離せなくなった。1人で

戦跡も歩いた。琉球の歴史、首里城、尚泰久王の万

国津梁の鐘、文化、自然、サトウキビ畑。なんでも

知ろうとした。今、私はかなり沖縄ひいきだ。でも

その始まりは、金城先生がそこで聖書を取り、語っ

てくださったからだ。

沖縄「復帰」50年に、悲しみとともに種を蒔き、

平和をつくるものへと導かれて生きる使命を、改め

て想う。先生がたに出会えた最初の「ひょんなこと」

は、神様がしかけた、まことの主の手の招きであっ

たと思う。「すべて剣をとる者は剣にて亡ぶ(聖書)

基地をもつ国は基地で亡び核をもつ国は核で亡

ぶ(歴史)」(ヌチドゥタカラの家資料館の言葉より)。

今ではひょんなことから、私が聖書を手にし、小

学校で聖書を教えている。みんなの辛さの中から聖

書のみ言葉が動き出して道を示す。手に取り、イエ

スに従ってみてごらん。隣人と「共に生きよ」と。

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