「想像して連帯する」 泉清隆
沖縄での普天間バプテスト教会の神谷武宏牧師に
より始められた「普天間基地ゲート前でゴスペルを
歌う会」に連帯して、福岡でも、2013年9月から、
故・田宮宏介氏(元・福間教会牧師)と松見俊氏(西
南学院大学元教授)によって始められ、同刻(毎月第
4月曜午後6時~7時)福岡アメリカンセンター前
で「福岡ゴスペルアクション」に毎回参加していま
す。教派を越えて毎回の参加人数は10~15名です。
三越デパート前の人通りが多い所ですが、「戦争
はしない。基地はいらない」などのプラカードを手
に持って、昨年10月からは田宮牧師に代わり西南
学院教会に就任された西脇牧師のギター伴奏で讃美
歌を歌い、聖書を朗読し、沖縄の現在の状況などを
みんなで共有しながらのあっという間のひとときで
す。現在、沖縄・福岡・首相官邸前・京都・大阪な
どで、同じ時、平和を求める歌声が響き渡っていま
す。
少し前の時のことです。「ゴスペルアクション」
を行っている歩道の側は交通量の多い国道202号線
です。賛美の途中でふと気がつくと、大型トラック
と乗用車が接触しそうに止まって動かない状態にな
り少し時間が過ぎていました。後ろはかなり渋滞し
ています。何人かが手で押して乗用車を移動させま
したが、車に乗ったままの運転手はどうなっている
のか、どうしようとしたのか外からは分かりません。
女性ドライバーはパニック状態だったのかもしれま
せん。誰かが通報したのでしょう。パトカーが2台
来ました。私も途中から気がついてその車を押した
のですが、一緒に車を押していた人が「あなたは運
転手の知り合いですか」と何回も聞いてきました。
「いいえ。知り合いではありません」と言いました
が、「ゴスペルアクション」の途中だったこともあ
りその時に思いました。
私は、日常生活で、安心・安全が脅かされ苦しん
でいる沖縄の人たち一人ひとりは知りません。少し
の知り合いはいますが、ほとんどの人たちとは知り
合いではありません。しかし、彼らは、私たちの愛
する家族、親しい友人と同じなのです。ですから私
たちは連帯するのです。連帯したいのです。
沖縄の「ゴスペルを歌う会」の普天間基地ゲート前
にはフェンスが張られています。しかし福岡の「ゴス
ペルアクション」の場所には(見えるフェンス・基地は)
ありません。沖縄とは現実の状況は全く違いますが、
しかし、見えないフェンスを見ているように沖縄の現
実を想像して連帯していくことを教えられました。
今月は「6・23命どぅ宝(命こそ宝)の日」を迎え
ます。新生讃美歌395番を琉球語で賛美しながら思
いを馳せたいと思います。
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