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「深い淵の底から」 泉清隆

先日、休暇で九四国道フェリーに乗船し、何気な

くフェリーの「非常の際の心得」が目に留まり読んで

いました。そこには「非常の際にはご乗船中の海上

保安官、警察官、消防職員、自衛官、船員、牧師、

団体引率者などの方々にご協力をお願いする事があ

ると思われますので、その時は宜しくお願い致しま

す。」と書かれてあり、私は救助者のなかに「牧師」

が入っていることに驚きました。英語で書かれたの

を見ると「minister」で、確かに「牧師」となって

いました。英語での心得を日本語に訳したのではな

いかと思います。そのことで、映画「ホセイドン・

アドベンチャー」を思い出しました。津波により客

船が転覆して、牧師がリーダーとなって乗員を励ま

し導き船底から救出されるというものです。

今日の聖書の個所は「深い淵の底から」ですが、

もう一つの出来事を思い出しました。それは2010年

8月チリで起こった鉱山落盤事故です。奇跡の生存

にはリーダーたちの指導力があった事を伝えていま

す。そのリーダーの一人はホセ・エンリケス、彼は

33年間採掘に携わる鉱夫でありまた牧師でもあった

ので、鉱夫たちの牧者となり毎日全員で神への祈り

を捧げました。事故から17日目、33人の鉱夫たち全

員が地下700メートルの避難所で生きている事が分

かりました。過酷な状況のなかで生き延びることが

できたのは、パニックに陥らないよう生きる希望を

与えたリーダーたちの存在があったと言われていま

す。エンリケス牧師は事故が起きた時、地上から運

び込まれる食糧と物資と一緒に鉱夫たちが着るTシ

ャツを頼みました。そのシャツには「JESUS…イエ

ス」正面には「主よ感謝します」そして背中には「深

い地の底も御手の内にあり 山々の頂も主のもの」

(詩篇95篇4節)と書かれていました。

「きっと助かるさ」と信じ、「クリスマスは地上

で楽しく過ごせるよ」と語り合い「神さまが僕たち

を救わないわけはない」という信仰の力が鉱夫たち

を支えていたと思われます。

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