「葦」 松藤真理奈
◎葦(アシ)の名前の由来はおもしろい。
ある時、葦は葦(アシ)というと「悪し」に通ずる
葦(ヨシ)にしようと言い換えられた。平安時代ま
では確かに葦(アシ)と呼ばれていたのに。
調べてみると8世紀ごろに出された勅令、人名や
土地の名前に縁起の良い漢字2字を用いる「好字二
字令」「好字令」が発端と考えられるらしい。当時、
先進国であった唐(中国)に倣い、日本も「長安」
や「洛陽」のように倭(やまと)も「大和」に。好
字(良い意味の漢字)の2字で漢字表記を整備して
いった。その時、葦も、葦(アシ)は縁起が悪いと
好字の葦(ヨシ)になった。もとは、緑(あおし)
や脚(あし)が立てるほどの深さにあるという意味
を持っていたのに。
◎フランスの哲学者パスカルの言葉
パスカルは「人間は考える葦(あし)である」と言
った。
人間は、自然の中では弱い存在。しかし、頭を使っ
て考えることが出来る。考えることこそ人間に与え
られた偉大な力だと。
◎神は愛です。人間は考える、善悪を知るもの
(創世記3章22節)。
神=愛(神は愛です) 人間=知(人間は考える)
神+知=人+愛
神は人に愛を加えられた。それは同時に神も人間
と同じ罪を抱え、知(考えるもの)になると決意さ
れたことによるのではないだろうか。
人-愛=知-神
また、人間が愛を知らないのなら、それは神を知
らない(考えない)から起こるのではないか。
神は、この世界を創られた時から、人間と共に考
え、愛を注いできた。葦のように折れやすく弱くて
もろい人間。「悪しだ」と言われてもしかたのない
罪を繰り返す人間。それでも神は共に生きる決意を
なされ、イエス・キリストをこの世に生まれさせ、
わたしたちを知り、罪の苦しみと滅びの世界から、
救いの道へと引き揚げて下さった。
◎悪シを良シとして下さる神の愛が、招いている。
聖書はイエス・キリストに倣いなさい、互いに愛いな
さいと招いている。
主が愛して下さったように、わたしたちも隣人を愛
することが出来ますように。
和解の主の平和がこの世界に来ますように。
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