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「解放の年となりますように」 泉清隆

聖書には7の生活リズムがあります。一週間7日

毎の安息日に加えて、7ヶ月目の贖罪の日、そして

7年毎の安息日があります。旧約聖書の人々は、6

年間農耕し、7年目には完全に休耕するように命じ

られました。その休耕の年が安息年です。この年は

貧しい人たちはその土地に自然に生えたものを自由

に食べてもよく、奴隷は解放され、負債はすべて取

り消されました。それはこの大地、土地が人のもの

ではなく「神のもの」であることを教えています。

そして安息年を7度重ねた49年目の翌年50年目

はヨベルの年と呼ばれました。この年にまず畑を休

ませます。それは、農耕の視点からすれば土地に対

する賢明な方策です。人にとっては喜ばしい休み、

余暇でした。しかし安息年を7度重ねた49年目も、

畑を休ませるので2年連続の安息となります。この

定めを聞いて「では何を食べたらよいのか」と不安

に思う人たちに対して、神はレビ記25章21節「わ

たしは6年目にあなたたちのために祝福を与え、そ

の年に3年分の収穫を与える」と約束しています。

荒野のマナも出エジプト記16章29節で、「よく

わきまえなさい、主があなたたちに安息日を与えた

ことを。そのために、6日目には、主はあなたたち

に2日分のパンを与えている」。私たちの生活とい

うのは、理屈で成り立つものではない部分がありま

す。やはり神が私たちを養っておられる、支え導い

ておられるのだと思います。しかし私たちはその事

を忘れてしまい理屈で考えます。そして自分で何と

かしようと生きていることが多いものです。祈りを

忘れている事と同じです。

神は祝福の神です。神を仰ぐことを忘れないよう

にしたいものです。神が休みなさいと言われた時に

は素直に休み、すべてが神にかかっているように生

きていく、そこに祝福があります。ここでの安息は

まさに、神を信頼する人々を育てる意義を持ってい

るのです。また、ヨベルの年には売却されていた土

地も、自動的に売り主のもとに戻り復帰します。負

債は免除され、負債のために奴隷となっていた人も

解放されます。このために利益追求一辺倒の努力は

一時中断され、歯止めがかけられます。土地が返さ

れ、人が解放されることで、貧しい者は金持ちに搾

取され続けられることから守られます。

神のものは正しく分配されるのです。人も土地も神の

もので人のものではありません。人は、支配ではなく

すべてを正しく管理する忠実な管理者として存在させ

られています。ヨベルとは元々「角笛」の意味で、こ

の年の新年には国中ラッパを吹き鳴らすということか

らこの名が付けられました。北米のフィラデルフィヤ

にあるIndependenceHall(独立記念館)には、合衆国独

立の時に鳴らしたLibertyBell(自由の鐘)があります。

その鐘にはレビ記25章10節「全住民に解放の宣言

をする。」から引用されて「国中のすべての住民に解放

を宣言する」が刻み込まれています。

2022年、世界が自由へと解放される年となりま

すように。

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