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「霊を見分ける」 泉清隆

「霊を見分ける」ことによって、ひとりの老婦人に

与えられた嬉しい体験をご紹介された、青野太潮平

尾教会協力牧師のペンテコステ主日礼拝の説教から

引用します。(*1)

「それは、聖公会の司教で神学者のジョン・V・テ

イラー著の『仲介者なる神・聖霊とキリスト教宣教』

(*2)のなかに書かれていた、すてきなエピソード

です。

夫に先立たれて独りぼっちになってしまった老婦

人が、著者が説教のなかで聖霊について語ったその

内容がまったくわからなかったので、礼拝後にそう

彼に伝えると、「じゃあ、ぜひこうしてみたらどう

でしょう」、とひとつのアドヴァイスを受けました。

そこで彼女は帰宅して、静かにそのアドヴァイスに

従いました。ゆったりとした気持ちで、小さな庭の

見える彼女の部屋で、ひとり椅子に座って、ゆっく

りとお茶を飲みました。そしてやはりゆっくりと、

いつも見ている自分の家の庭を、改めてしみじみと

眺めました。そして、ゆったりとした穏やかな気持

ちで、自分が歩んできた道をしばらくの間、振り返

りました。独りだけこの世に残されてしまったけれ

ど、でも自分の歩んできた道は、神さまのお恵みに

満ちた、とても幸いな歩みだった、と思いました。

そして、こじんまりとした、そう広くはないこの庭

と、そこにある木や花や草は、何と素敵で美しいん

だろう、と思いました。そのようにしてしばらくの

ときをゆったりと過ごしたとき、突然彼女は、ハッ

と気がつきました。そこは実は何もない空間などで

はまったくなくて、何かが、否、何者かが、豊かに

充ち満ちている空間なのだ、ということに彼女は気

がついたのです。

そして著者のテイラーは言います。それこそが実

に聖霊の充満なのであって、それは目には見えない

けれども、否定することのできないリアルな現実な

のだ、と。」

(*1)福岡ベタニヤ村教会2021年5月23日

(*2)新教出版社、村上達夫訳、1979年

(TheGo-BetweenGod:TheHolySpiritandtheChristian

Mission<London:SCM 1972; New Edition, SCM Classics 2002>)

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