『真理はあなたたちを自由にする』 金子政彦
『わたしの言葉にとどまるならば、あなたたちは本
当にわたしの弟子である。あなたたちは真理を知り、
真理はあなたたちを自由にする。』
(ヨハネによる福音書8:31~32)
国立国会図書館東京本館のホールには、国立国会
図書館法前文の一部である「真理がわれらを自由に
する」という言葉が刻まれています。日本国憲法制
定時の憲法担当国務大臣でもあった初代館長金森徳
次郎の筆跡によるものです。この言葉は、法案の起
草に参画した羽仁五郎国会議員がドイツ留学中に見
た大学の銘文を基に創出したもので、その銘文は、
新約聖書の「真理はあなたたちを自由にする」(ギ
リシャ語で Η ΑΛΗΘΕΙΑ ΕΛΕΥΘΕΡΩ
ΣΕΙ ΥΜΑΣヘー アレーテイア エレウテロ
ーセイ ヒュマースヨハネによる福音書8:32)に
由来します。国立国会図書館法案が議決された1948
(昭和23)年2月4日の衆・参両議院本会議での説明を
見ると、「国立国会図書館は、知識の泉、立法のブ
レーンになる。あらゆる材料をここに集め...文化の
促進をはかり、産業の高揚をはかる仕組である」(衆
議院図書館運営委員長)、「従来の政治が真理に基づ
かなかった結果悲惨な状況に至った。日本国憲法の
下で国会が国民の安全と幸福のため任務を果たして
いくためには調査機関を完備しなければならない」
(参議院図書館運営委員長)という趣旨のことが述べ
られています。民主主義は、国会議員だけが情報を
持つことにより実現するわけではありません。国民
が情報を持つこともまた民主主義の不可欠の要素で
す。このため、国立国会図書館は、「真理がわれら
を自由にする」の理念の下、国会に奉仕するととも
に、国民の情報ニーズにも応える機関として位置づ
けられています。(国立国会図書館ホームページより)
ヨハネ福音書8:31~32の意味するところは、イ
エス・キリストのことばを信じる者は、イエス・キ
リストの弟子となり、真理を知り、自由を得ること
ができるということです。聖書の指し示す真理は、
信仰により恵みによって知ることができる(明らか
にされる)のであって、決して人の努力で得られる
ものではありません。人はいつも真理を求め、探求
するものですが、人の力でたどり着く結論は、真理
からは程遠いものになります。
人はいつも真理を求め、探求するものですが、人の力
でたどり着く結論は、真理からは程遠いものになりま
す。
だから、イエスさまのことばにとどまりなさい。聖
書はそう勧めます。そうすれば、イエスさまは私たち
ひとりひとりに向き合って下さいます。私たちは、イ
エスさまと向き合うことで真理を知ります。「自分自身
が何者であるか」という問いに対する「真実の答え」
を知ります。そして、驚くべきことに、その真理は私
たちを「自由に」、「解放」するといわれます。
「真理はあなたたちを自由にする。」このことばは、歴
史を生きた先輩方のさまざまな思い(葛藤、悩み)や願
い(希望)が込められた「聖句」なのです。
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