「イエスから始まっている癒しと和解」 ルカによる福音書23章32~43節
「無期懲役ではなく極刑を」と、子どもを殺された親の切実な訴えです。「どこまでも憎しみを抱き続けて生きよう」と決めざるを得ない深い痛み悲しみに言葉を失います。まさに許しがたい出来事の被害者なのですから、誰もその言葉に「否」を唱える資格はないでありましょう。...
「被造物の呻きを聞く」 ローマの信徒への手紙8章18~25節
宇宙空間にはおびただしい放射線が飛び交っています。また、地球内部にも放射性物質があり地上に放射線を放出し続けています。しかし地球を取り巻く空間や地表の厚い岩盤が放射線を防ぎ、人体への影響を最小限に保っています。この状態になるまでに地球誕生から凡そ46億年を要し、人類が棲息で...
「人間、土を耕し守る者」 創世記2章6~17節
創世記には二つの人類誕生物語が記されています。第一の物語は1章にあり、神の言葉による無からの創造で、人は神の像に造られたとあります。第二の物語は2章で、神が擬人化されて登場し、人を土の塵で作り、ご自身の息を吹き込んで生きるものした、とあります。どちらも読み取るには深い内容を...
「救われた者の歩み」 エフェソの信徒への手紙 2章1~10節
今朝の聖書でパウロは、キリストの救いにあずかる「以前」と、救いにあずかっている「今」という対比の中で、キリスト者の人生について語っています。彼はまず「罪」について「あなたがたは、以前は自分の過ちと罪のために死んでいたのです」と言い、さらに「以前は肉の欲望の赴くままに生活し…...
「神の慈しみに包まれて」 マタイによる福音書 6章25~34節
疲れた時にはちょっと歩いてみる。行く先は決まっている。教会から5分ほどの古賀の海。松林を抜けると波の音が心地よく、潮の香りに包まれる。大きく深呼吸。引き潮のときは浜辺におりて砂を踏む。この浜の砂は細かく引き締まって歩きやすい。風と波の音に包まれてしばらく歩く。中川の河口辺り...
あなたを変える出会い ~道ばたでの出会い~ ルカによる福音書18章35~43節
本日の箇所は、イエス様が、一人の目が見えない人をいやされたという記述です。ある時、イエス様がこの人の前を通ろうとしたところ、この人は、大声で「ダビデの子イエスよ、わたしを憐れんでください」と叫びました。周りの人は、この人をだまらせようとしたのですが、この人は叫び続けました。...
なんと美しい足 ローマの信徒への手紙 10章9~15節
「福音」とは「良い知らせ」「嬉しい知らせ」のことです。聖書には4つの福音書がありますが、そこにはイエス様がどんな方であったかが、ありありと証言されています。良く知られている誕生物語もありますが、大部分はイエス様がバプテスマをお受けになってからの3年余りを、中でも十字架と復活...
信仰への出発点 ローマの信徒への手紙8章12~17節
私たちがキリスト教信仰に近づこうとする時には、まず「研究(警戒)」の態度を取るのではないでしょうか。確かにそれはきわめて当然のことであり、また健全なことでしょう。たとえば相手が人間の場合でも、初対面の相手に対して「研究」するのは、当然のことであり、健全なことでしょう。...
「愛を語り続ける教会」 テサロニケの信徒への手紙一 3:12~13
今日はペンテコステ(聖霊降臨日)です。この日ペトロが語った説教を聞いて3000人もの人がバプテスマを受けて仲間に加わった、と使徒言行録2章41節に記されています。このとき、ペトロは特に目新しいことを語っていません。むしろ淡々とキリストの十字架と復活、そして今起こっている出来...
究めがたい神の知恵 創世記11章1~9節
19世紀ポーランドのユダヤ人でルドヴィコ・ザメンホフという舌を噛みそうになる名前の言語学者がおりました。彼のニックネームが「ドクトル・エスペラント」です。「希望の博士」とでも訳すのでありましょう。そういう時代が到来するかと「希望」を抱いた一人ですが、現実にはこのアジア諸国で...