「神に心を向けて」 コヘレトの言葉 11:9~12:2
今朝ごいっしょにお読みした「コヘレトの言葉」は、「伝道の書」という口語訳聖書の書名で慣れ親しんでこられた方も多いのではないでしょうか。「コヘレト」とは「集める者」を意味し、ここから「人々を集め、教えを伝えた者」という解釈がなされ、「伝道の書」という書名がついたと言われます(...
「主告白こそ先達の喜び」 フィリピの信徒への手紙 2章1~11節
フィリピの信徒への手紙は、伝道のために迫害を受け投獄されているパウロからの激励の手紙です。彼は獄中の自分のことよりも教会のことが心配です。「そこで、あなたがたに幾らかでも、キリストによる励まし、愛の慰め、“霊”による交わり、それに慈しみや憐みの心があるなら、同じ思いとなり、...
「互いに足を洗いなさい」 ヨハネによる福音書13章3~17節
ヨハネ13章は過越祭が近づいた時の出来事を記しています。この過越祭は生前のイエスさまの最期と重なります。いよいよ主イエスは「神の小羊」(ヨハネ1:29,36)として全ての罪人の罪を引き受け十字架へと向かわれます。ヨハネは、「イエスは、この世から父のもとへ移る御自分の時が来た...
「あなたは何を子孫に遺すか」 出エジプト記12章21~28節
去る8月19日、福間教会名誉牧師の野口直樹先生が84歳の生涯を全うし、主の御許に召されました。再婚して9ヶ月余りの日々を共にされたお連れ合いの由美子さんによる出棺時のお礼の挨拶に、「とても楽しく充実した結婚生活でした。預金通帳の残額はほとんどありませんが、何にも代えがたい幸...
「怒ることがあっても」 エフェソの信徒への手紙4章17~32節
「怒ることがあっても、罪を犯してはなりません。日が暮れるまで怒ったままでいてはいけません」。この言葉の前25節には、次のように記されています。「だから、偽りを捨て、それぞれ隣人に対して真実を語りなさい。わたしたちは、互いに体の一部なのです」。私たち人間が隣人に対して「偽り」...
「殺さない~大切な決断~」 出エジプト記20章13~17節
世界中の法治国家がその規範とする教え、それが「十戒」です。十戒は人が人として生きる上での最高規範と言えます。即ち、すべての人間は神の像(かたち)に創造さているゆえに、性別、年齢、健康のいかんにかかわらず、存在そのものが尊く、等しく「尊厳」を持つのです。それ故、創造主である神...
「闇の支配からの解放」 コロサイの信徒への手紙1章13~20節
コロサイの信徒への手紙は「御父は、わたしたちを闇の力から救い出して、その愛する御子の支配下に移してくださいました。」と宣言します(コロサイ1:13)。誰であっても、右も左もわからない真っ暗闇の中に置かれると、それだけで恐怖に襲われます。闇の力はこの恐怖心を用いるのです。それ...
「『和解の福音』の使者として」 コリントの信徒への手紙二 5:13~20
今月は、15日の「敗戦の日」を頂点として平和への思いを新たにし、和解に生きることを願いつつ、御言葉に聴いています。今朝の聖書(Ⅱコリント5:13~20)でパウロは「キリストによって新しく創造された者は、和解の務めへと招かれている」と言っています。...
「イエスから始まっている癒しと和解」 ルカによる福音書23章32~43節
「無期懲役ではなく極刑を」と、子どもを殺された親の切実な訴えです。「どこまでも憎しみを抱き続けて生きよう」と決めざるを得ない深い痛み悲しみに言葉を失います。まさに許しがたい出来事の被害者なのですから、誰もその言葉に「否」を唱える資格はないでありましょう。...
「被造物の呻きを聞く」 ローマの信徒への手紙8章18~25節
宇宙空間にはおびただしい放射線が飛び交っています。また、地球内部にも放射性物質があり地上に放射線を放出し続けています。しかし地球を取り巻く空間や地表の厚い岩盤が放射線を防ぎ、人体への影響を最小限に保っています。この状態になるまでに地球誕生から凡そ46億年を要し、人類が棲息で...